連動送り出し工法

のケーブル延線工事は連動送り出し工法
連動送り出し工法のメリット
ケーブルを途中で出す (8の字)必要がなく 一発で延線が可能
多くの人員を必要とせず コスト削減と作業全体の効率アップに貢献
過大な負荷をかけずに安全かつ高速で延線が可能

ケーブル延線工事とケーブル重量問題

ケーブル延線工事とは、電気を送る電力ケーブルを指定された通路に敷設していく作業のことです。

ケーブル延線工事は、短い距離のものから長い距離のものまで様々で、長いものになると1000mを超える場合や、高層ビルの1階から50階まで敷設するケースもあります。

そしてその際に問題となるのが、敷設する電力ケーブルの重量です。電力ケーブルの重量はさまざまですが、重いものだと1mあたり10kgのものもあります(10kg/m)。

電力ケーブルを水平に敷設するのであればまだしも、高い場所の吊り上げる際にはケーブルの重量が大きな問題になるのです。

例えばこの10kg/mのケーブルをビルの上100mの高さまで敷設するとしましょう。
この場合のケーブルの総重量は、「10kgx100m=1000kg=1t(トン)」にもなります。

ウインチ牽引や手引きによるケーブル延線とそのデメリット

これまでケーブル延線工事においては、高所に電力ケーブルを引き上げる方法として、ウインチによる牽引や手引き(人海戦術)により行うことが一般的でした。

しかしこれら従来方式には数々の問題点があります。
これらの工法では今後想定される施工環境のもとで、許容されるケーブル張力の確保や、高い場所での作業を行う際の安全の確保を行うことは困難です。

ウインチによる牽引のデメリット

ウインチによる牽引作業には次のような課題やデメリットがあります。

  1. ケーブル、吊り金車、ラックなどに過大な負荷がかかる
  2. 敷設経路が複雑になると対応できない
  3. 過剰な引っ張りによる事故発生のリスクがある
  4. ウインチを仕掛ける場所の安全確保が必要

手引き(人買い戦術)による延線のデメリット

手引き(人買い戦術)による延線作業にも次のような課題やデメリットがあります。

  1. 作業に多くの人員を配置する必要がある
  2. 作業スタッフに重労働を強いることになる
  3. 経路途中でケーブル出し(8の字)の必要があり作業効率が低下する
  4. 高い場所での人手に頼る作業は、安全の確保が難しい

連動送り出し工法で課題クリア

上記の「ウインチ牽引」と「手引き」のデメリットをクリアするために、番電設では「連動送り出し工法」を採用しています。

連動送り出し工法とは

インバーターで一括制御を行う「延線ボール」を用いて、従来の牽引工法とは異なり、バックテンションを軽減しながら敷設するのが「連動送り出し工法」です。

延線ボールを要所要所に分散して配置してケーブルを送り出すことで、曲がりや縦に引き上げる場面の多い経路においても、一定の張力とスピードで安全にケーブルを敷設することができます。

また高い場所での作業の際に、多くの人員での作業や無理な作業を排除して、安心安全な施工と作業の効率アップに大きく貢献します。

連動送り出し工法のメリット

①一発延線が可能

要所に複数設置した延線ボールを連動駆動させることで、曲がり、上がり、下りに関係なく、最高で600~700mまで、8の字を書いてケーブルを途中で出す必要なく、一発でケーブル延線を可能にします。

②過大な負荷をかけずに安全かつ高速で延線が可能

複数設置した延線ボールで力を分散させてケーブルを送り出すことで、ケーブル、吊り金車、ラックに過大な負荷をかけることがありません。その結果、安全かつ高速でケーブル延線が可能になります。

③多数の人員を必要としない

ケーブル延線を行うにあたり、事前にケーブル延線機材を設営することで、あとは延線ボールが常時安定してケーブルを送り出します。

全ての延線ボールは連動して作動するため、その起動や停止の操作は一括制御でき、極めて安心・安全です。
そのため作業員の任務は、機材や延線の状況の監視が主となり、作業員の負担が大幅に軽減されます。

作業員の負担が軽いことは、作業の安全性の確保に役立つとともに、作業全体の効率アップに貢献します。

また、ウインチによる牽引や人力による手引きのように、多くの人員を必要としません。
その効果としてコストの削減につながり、別の作業や現場へマンパワーを割り振れるので、広く仕事の拡大に役立ちます。

主要機材「延線ボール」の特長

連動送り出し工法の主要機材である「延線ボール」について、その特長を紹介します。

①低圧空気ボール(0.6kg)

低圧空気ボールなので、ケーブル通過時にボールがケーブルを面で包み込んでケーブルを送り出します。よって一点に力を集中させることなく強い繰り出し力が得られ、かつケーブルに優しい延線が可能です。

②細いケーブルにも対応

ボールとケーブルの接地面積と接地円周でグリップ力を調節しているので、ケーブルだけでなくロープもそのまま延線可能です。

③素材に特殊ゴムを採用

ボール部は特殊ゴムを採用しているため、万が一30秒間スリップしてもケーブルを剥きません。

④インバータにより制御

最大18台まで、正転、逆転、スピードの調節をが1台のインバータで制御することができます。

⑤設置方法や設置場所が自由

現場の環境に応じて、縦、横、ナナメ、吊り下げなど自由自在に設置できます。